パワハラ(パワーハラスメント)とは、職場などで地位や職権などの権力差を背景として職務に関して行なわれる、嫌がらせ行為をいう。パワハラは、職務に関連した行為ではあるが、本来の職務の範疇を超えて、相手の人格と尊厳を傷つけ、就労環境を悪化させたり雇用不安を与える行為である。
パワハラの典型的な例は、
*わざと達成が困難なノルマを与え、達成できないと叱責したり無能と決めつける
*言葉や態度の暴力(執拗に欠点ばかりをあげつらう、バカ・クズ等の人格否定の言葉で非難する、多くの人の前で非難する、等)
*人事評価や業績評価を客観的に行なわず、悪意(嫉妬)から昇進を妨害する
*飲み会への参加を強制したり、買い物・送迎等の私用を強要する
*「嫌ならやめてもいい」「代わりはいくらでもいる」「リストラするぞ」「明日から来なくていい」等と雇用不安を与える
*仕事を取り上げ何もさせない、別室に隔離する、監視や盗聴をする
*わざと適材適所の配置をしない、わざと本人の希望しない部署に配置転換する
*苦手な仕事をするか退職するかの二者択一を迫る
*執拗な自主退職勧告や退職強要をする
*机をたたく、物を投げる、殴る、蹴る、脅す
等とされており(以上は主としてWikipediaによる)、何だか書いているだけでも暗い気持ちになってくる。
(以下、次回へ)
2013.05.24更新
離婚の話(最終回)
さて、離婚問題を思いつくままに論じてきたが、私は安易な離婚を奨励するものでは決してない。
離婚は罪のない子供に大きな犠牲を強いることが多く、また、経済的に自立することが困難な女性にとって不公平な結果となることが少なくない。
また、離婚するには結婚する時の何倍ものエネルギーを要するのも事実である。
離婚するにも覚悟が必要であると申し上げておきたい、念のために。
離婚は罪のない子供に大きな犠牲を強いることが多く、また、経済的に自立することが困難な女性にとって不公平な結果となることが少なくない。
また、離婚するには結婚する時の何倍ものエネルギーを要するのも事実である。
離婚するにも覚悟が必要であると申し上げておきたい、念のために。
投稿者:
2013.05.22更新
離婚の話(5)
確かに、このような法律をつくるか否かは婚姻観によって賛否の分かれるところで、是非の判断は微妙である。
しかし、民法改正の成否にかかわらず、実際の裁判においては既にこれを認める傾向が圧倒的である。
では、有責配偶者からの離婚請求によって離婚を余儀なくされる妻(または夫)は何によって救われるか。
言うまでもなく、慰謝料の請求である。
相手がそこまで離婚したいというのであれば、そんな不誠実な相手にしがみついていても幸せは望めない、相手からペナルティーを取って別れてしまいなさい、というわけである。
しかし、裁判所は果たして意に反する離婚を強いられる者の納得を得られるだけの慰謝料額を認めるのか、ということが問題である。そこまで離婚の門戸を広げるのであれば、それに伴って慰謝料の基準も引き上げられるべきであろう。
(以下、次回へ)
しかし、民法改正の成否にかかわらず、実際の裁判においては既にこれを認める傾向が圧倒的である。
では、有責配偶者からの離婚請求によって離婚を余儀なくされる妻(または夫)は何によって救われるか。
言うまでもなく、慰謝料の請求である。
相手がそこまで離婚したいというのであれば、そんな不誠実な相手にしがみついていても幸せは望めない、相手からペナルティーを取って別れてしまいなさい、というわけである。
しかし、裁判所は果たして意に反する離婚を強いられる者の納得を得られるだけの慰謝料額を認めるのか、ということが問題である。そこまで離婚の門戸を広げるのであれば、それに伴って慰謝料の基準も引き上げられるべきであろう。
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投稿者:
2013.05.17更新
離婚の話(4)
当時この判決は画期的であったが、その後、判例の流れは一気に加速し、その翌年には別居期間10年3ケ月のケースで有責配偶者からの離婚請求が認められ、現在では、5年程度の別居期間のケースでも有責配偶者からの離婚請求が離婚請求が認められる傾向にある。ただし、夫婦間に未成熟の子供があるようなケースでは、別居期間が長くても有責配偶者からの離婚請求は認められない。判例も、ここのところでは節を曲げずに踏みとどまっているという感じである。
このような判例の流れをうけて、十数年前には、5年間を超える別居を離婚原因として明文化する民法改正案が上程されようとして議論を呼んだが、国民のコンセンサスを得られないと判断されたのか、今もってこの民法改正案は国会に提出されるに至っていない。
(以下、次回へ)
このような判例の流れをうけて、十数年前には、5年間を超える別居を離婚原因として明文化する民法改正案が上程されようとして議論を呼んだが、国民のコンセンサスを得られないと判断されたのか、今もってこの民法改正案は国会に提出されるに至っていない。
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投稿者:
2013.05.08更新
離婚の話(3)
ただし、例外として、離婚原因をつくった責任を負うべき配偶者(有責配偶者)からの離婚請求は認められない。早い話が、妻以外の女性と情を結んだ夫が妻に三行半を下すような手前勝手な離婚請求には法律は手を貸さないということである(もっとも、最近は夫と妻が逆のケースも珍しくない)。
判例は長らくの間、特殊なケースを除いては有責配偶者からの離婚請求は一切認めないというスタンスを崩さなかった。しかし、本当にそれでいいのかと思えるようなケースもある。夫が妻以外の女性と不貞関係を結び、その後30年余りにわたって妻と別居し、不貞相手の女性と事実上の夫婦として生活を続け、その女性との間にできた子供も成人して、というところまでくると、離婚を認めざるを得ないのではないかということになる。
昭和62年に最高裁は、まさにこのようなケースで初めて有責配偶者からの離婚請求を認めた。
(以下、次回へ)
判例は長らくの間、特殊なケースを除いては有責配偶者からの離婚請求は一切認めないというスタンスを崩さなかった。しかし、本当にそれでいいのかと思えるようなケースもある。夫が妻以外の女性と不貞関係を結び、その後30年余りにわたって妻と別居し、不貞相手の女性と事実上の夫婦として生活を続け、その女性との間にできた子供も成人して、というところまでくると、離婚を認めざるを得ないのではないかということになる。
昭和62年に最高裁は、まさにこのようなケースで初めて有責配偶者からの離婚請求を認めた。
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投稿者:
2013.05.07更新
離婚の話(2)
法律も壊れた夫婦関係を無理につなぎ止めようとせず、婚姻関係が破綻していると認められれば、つまり円満な夫婦関係を回復することが困難な状態となっていると認められれば一方の配偶者からの離婚請求を認めるという基本的な考え方に立っている。これを「破綻主義」という。
夫婦関係が破綻に至る原因は様々であるが、基本的には原因の如何を問わず、夫婦関係が破綻している現状にあるか否かを判断基準にするという考え方である。
(以下、次回へ)
夫婦関係が破綻に至る原因は様々であるが、基本的には原因の如何を問わず、夫婦関係が破綻している現状にあるか否かを判断基準にするという考え方である。
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投稿者:
2013.05.01更新
離婚の話(1)
前回で離婚の慰謝料の話に触れたついでに、今回では離婚問題について書いてみようと思う。
弁護士の扱う仕事も時代を反映してある程度の流行り廃れがある。しかし、私が弁護士稼業を始めて以来25年間、もっともコンスタントに依頼を受け続けてきたのが離婚事件である。常時数件の離婚事件を抱えているという印象である。これは個人事件を多く取り扱っているという私の事務所のスタンスにも由来する印象ではあるが、それだけ世の中の離婚の件数が多いということでもある。統計的にも離婚の件数は着実に増加している。一昔前には離婚経験者は肩身の狭い思いをしたかもしれないが、現在はバツイチ、バツニも別に恥ずかしいことではないという風潮である。
家制度に引きずられた結婚観は既に過去のもので、個人主義の浸透した現在にあっては、離婚の増加も必然的な現象である。誰しも自分が幸せになるために結婚するのであるが、不幸しにてその結婚が失敗であったとしたら、その結婚に固執して夫婦関係の不和に絶え続ける必要はない。
人生は短く、しかも一度しかない。幸せに結びつかなかった結婚には早々に終止符を打ち、新しい人生の可能性を追求したほうがお互いにとって幸せだ。そう考えれば離婚も悪いことではない。
(次回へ)
弁護士の扱う仕事も時代を反映してある程度の流行り廃れがある。しかし、私が弁護士稼業を始めて以来25年間、もっともコンスタントに依頼を受け続けてきたのが離婚事件である。常時数件の離婚事件を抱えているという印象である。これは個人事件を多く取り扱っているという私の事務所のスタンスにも由来する印象ではあるが、それだけ世の中の離婚の件数が多いということでもある。統計的にも離婚の件数は着実に増加している。一昔前には離婚経験者は肩身の狭い思いをしたかもしれないが、現在はバツイチ、バツニも別に恥ずかしいことではないという風潮である。
家制度に引きずられた結婚観は既に過去のもので、個人主義の浸透した現在にあっては、離婚の増加も必然的な現象である。誰しも自分が幸せになるために結婚するのであるが、不幸しにてその結婚が失敗であったとしたら、その結婚に固執して夫婦関係の不和に絶え続ける必要はない。
人生は短く、しかも一度しかない。幸せに結びつかなかった結婚には早々に終止符を打ち、新しい人生の可能性を追求したほうがお互いにとって幸せだ。そう考えれば離婚も悪いことではない。
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